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ライターよもやま話

3.ライターに求められるのは「名文」ではない




実は私、かなり重度の文学少女でした。
十人並みに太宰治の波に流され、三島由紀夫に溺れ、谷崎潤一郎に揺蕩って、高橋和巳の横波に水を飲み、野坂昭如の潮に足をとられ……、えらい旅をしたような気がします。

純文学作家はそれぞれ、個性の違う美文の使い手です。
谷崎の計算つくされた、歌うような文章。 三島の豪華絢爛なレトリック。
でも私はやっぱり、太宰のあのリズム感に惹かれるなぁ。

そんな経歴もあり、ときどき詩のような原稿を書きたい妄念にとらわれることがあります。
でも、実際にそんな原稿を書いたらどうなるかと想像してみたら、すごく怖い。
たとえばですね……。


「だしまき卵に俺の人生を背負わせはしない」
店主が胸の中でつぶやくその独白を、客たちが知る日は未来永劫来なかろう。卵にとって店主の人生などまったくの想外であると、承知しているからだ。


……こんな居酒屋の紹介原稿を納品したら、編集さんから「熱ないですか?」と心配されて、顔を真っ赤にしながら、
名物は、だしと卵だけを使ったシンプルなだしまき卵
と書き直すのは目に見えてます。
剣呑けんのん。
そんな目に合うのはまっぴらごめんよっ!!

ライターに求められるのは、谷崎が如き美文ではありません。
シンプルで明瞭な「読みやすく理解しやすい文章」なのです。

擬音や表現に凝る必要もありません。
むしろ、使い古された言い回しの方が、読者はスッと理解できます。

たとえば、次の二つを読んで、どちらのショートケーキが食べたいですか?

1.むんむんぼわっとしたスポンジケーキの上に、プリンッとした味わいのイチゴの乗ったショートケーキ
2.ふんわりしたスポンジケーキの上に、甘酸っぱいイチゴの乗ったショートケーキ

1もわからなくはないような気もしますが、ピンときませんよね。
2の説明は、ありきたりではありますが、おいしそうだなと思わせる力はあります。

ありふれた表現でいいんです。
掲載される媒体の主旨に合い、読みやすく、理解しやすい文章。
それがライターに求められる文章なのです。

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