3.知識は広く浅くでかまわないライターは、専門的な研究の取材もしなくてはいけません。 たとえば、学校案内を作るお仕事のときは、教授に取材する機会がありますから、どんな研究をされているかも記事にしなくてはいけませんよね。 取材に臨んで、何を調べていきますか? 私ならまず、学校(研究者なら所属する企業)のサイトにその研究が紹介されていないか調べます。 多くの場合、さらっとでも紹介されていることが多いので、概要を理解するのにとても役に立ちますよ。 次に、取材する対象が教授なら、論文を発表されていないか調べます。 最近はインターネット上で論文が公開されていることも多いので、入手できるかもしれません。 企業に属する研究者なら、特許公報を検索してみてください。 工業所有権情報・研修館の特許情報プラットフォームで検索できます。 慣れない人には少し難しいかもしれませんが、 1.「種別」は「特許公報」にチェック 2.「検索項目」のプルダウンメニューを「発明者」に 3.「検索キーワード」に、「研究者の名前」を入力 4.「キーワードで検索」ボタンをプッシュ! 特許出願されていれば、この4手順で公報がヒットするはずです。 文献番号をクリックして、明細書に目を通しましょう。 でも、論文や特許明細を読んでも、理解できない可能性が高いと思います。 同じ研究をしている学者(研究者)が読んで理解できるように書かれるものですから、素人に理解できないのは当然です。 ではどうするか? とにかく、論文に目を通し、理解できるところまで理解してください。 まずなんのための研究かという目的は、しっかり把握しましょう。 その手段については、流れだけ、なんとか頭に入れてください。 わからないなりに、どこが重要かは目星がつくでしょうから、そこにアンダーラインを引いておきましょう。 あとは、当日直接聞けばいいんです。 「ざっと拝見したのですが、やはりほとんど理解できませんでした。ここが重要ポイントだと思うのですが、○○という理解で良いのでしょうか?」 などと質問すれば、相手は決して不快に感じないと思います。 知ったかぶりをするよりずっと好感を持たれるはず。 でも、必ず何か資料を見つけるようにしましょう。 もし、自力で見つけられなければ、間に入ってくださっている編集プロダクションの担当者に確認してみてください。 きっと何か、資料となるものが見つかるはずです。 なぜぶっつけ本番ではいけないのか、説明しておきますね。 たとえばもし、あなたが誰かに自分が大好きな野球選手を説明しようとするとき、 「あ、興味ないので全然知りません」 とそっけない態度をとられるのと、 「あ、確か二刀流なんですよね?私、野球のことは全然わからないんですけど、すごいですよね!そんな選手、過去にもいたんですか?」 と質問されるのとでは、どちらが気分よく話せますか? 学者や技術者だって、同じです。 だから、必ず予習はしてください。 でも、その分野に精通しようとする必要はありません。 あくまでも自然体で正直に。 自分がどこまで理解できているのか開示しながら、上手く質問につなげてください。 だから、ライターは「広く浅く」がいいんです。 |